誤食したときの処置について

最近誤食が多くなっています

そこで 処置について間違った情報が多く患者さんからも驚きの声をいただくことが多いのでちょっと書いておきます

 

まず声を大にして言いたいのですが

「薬で吐かせる処置」は基本的に 薬剤の副作用で吐かしていることを理解してください

つまりどの薬も嘔吐を目的として開発されてはいないのです

当院でも トランサミンやアポモルヒネを使用して吐かせる場合がありますが

これらの薬も本来は トランサミン=止血剤 アポモルヒネ=パーキンソン治療薬 です

トランサミンでは 投与したことにより 血液凝固の亢進・けいれん・視覚異常・ミオクローヌスなどを起こす危険性があります

アポモルヒネでは 中枢神経抑制がかかるので傾眠・鎮静がすごくなったり、過剰な嘔吐がでることもあります

 

アメリカで発売されている点眼薬での嘔吐薬もありますが、これは嘔吐させるために開発されたものではありますが日本での発売はまだありません

 

上記の三薬剤のどれを使用するにしても、危険性はあるので十分使用に際してはオーナーが副作用を理解し、もし副作用が発現しても認めていただかないといけないと思います

 

これらの副作用が怖ければ内視鏡での処置となりますが、この場合は全身麻酔をする必要があります

大きさにもよりますが一般的にはゴルフボールよりも大きいおもちゃやボール(布製品は除く)だと内視鏡でも摘出できないことがあります(テニスボールは無理です)

その場合は胃切開となります

上記のように各処置にはいろいろ欠点もありますので なるべく食べさせないように気を付けてくださいね